暑い夏のキャンプの弊害
夏のキャンプは暑いだけならマシですが、あまりにも気温が上昇すると、こんな酷い弊害も出てきてしまいます。
熱中症を引き起こす
キャンプ場の夏の暑い場所にずっと居続けることで、脳が茹でられたようになり、熱中症を引き起こす可能性が高まります。熱中症はボーッとしてしまう、体のだるさ、めまい、頭痛、吐き気などをもよおします。そうなればもう、楽しいキャンプどころじゃなくなります。
イライラが募る
せっかくキャンプ場まで来たのに、蒸し蒸しとしたガマン大会のような暑さ。夜も汗だくで溶けたチョコレートみたいにぐたーっと過ごす羽目になったら、不愉快でイライラと戦わねばなりません。そうなるとせっかくの休日とキャンプが台無しです。
もう夏のキャンプしたくない
一度過酷な夏のキャンプを体験してしまうと、夏のキャンプはもう懲り懲りだとして、敬遠するようになってしまうでしょう。だからこそ夏のキャンプ場では、周囲が完全にうらやむほどの、涼しい過ごし方が必要です。
夏キャンプの暑さ対策1:木陰+草地を選ぶ
キャンプ場サイトの地面は、芝生、草地、土、砂地、砂利などさまざまなタイプがあります。また、上空に樹木の枝が覆って木陰のある場所と、樹木のない見通しの良い場所があります。夏のキャンプ場は、どこで過ごすかによって、過ごしやすさに大きく影響してきます。
植物による気温低下
最も気温を下げてくれるタイプのサイトは、熱を溜めにくい草地や芝生のサイトで、木陰が地面を覆っている場所です。地面に生える植物や木陰が直射日光を遮ります。夏のキャンプ場では、まずこの条件を満たす場所を見つけ出し、テントやタープを設営するのが好ましいです。
夏キャンプの暑さ対策2:打ち水
キャンプ場の暑いサイトには、軽く打ち水をすることもおすすめです。打ち水とは日本で昔から行われてきた、地面に水をまいて涼しくする習慣です。気化熱効果や対流発生によって、ある程度の地温や気温の低下が期待できます。
打ち水による涼しい過ごし方
地面が芝生や土など、柔らかい場所の場合には、あまり歩かない場所に散水すると良いです。場所によってはあまり打ち水し過ぎると、地面がぬかるんでしまうからです。地面が砂利など固さと水はけが維持される場所なら、全体に撒いても構いません。
夏キャンプの暑さ対策3:タープを張る
タープはキャンプで過ごす場所に、日陰を作ることができる広い布のことです。夏の昼間の暑さをしのいで、涼しい過ごし方をする上で、タープは基本的なアイテムといえます。
タープの種類
タープではレクタングラー(長方形)、ウィング(ひし形)、ヘキサゴン(六角形)など、幾つかの種類があります。大きさは1人用から10人用以上の大型サイズまであり、タープの形状によってポールは2本から6本を使用します。
タープの涼しい過ごし方
テントを設営して昼も夜も涼しい形にするなら、テントを覆うようにしてタープを張ることです。これにより、テントに降り注ぐ直射日光を遮ることができます。
夏キャンプの暑さ対策4:ペットボトルの氷水
水分補給と共に、体温を低下させて夏の昼間の暑さ対策に役立つのが、ペットボトルの氷水。これは自宅の冷凍庫で作り、クーラーボックスでキャンプ場に運ぶだけのお手軽な方法です。食品や飲み物の保冷にも役立ちます。
ペットボトルの氷水の作り方
500mlや1リットルのペットボトルを用意し、水を入れて凍らせるのみです。水を満杯にすると氷の膨張でペットボトルが割れる可能性があるので、水の量は9分目くらいにします。
ペットボトルの氷水の涼しい過ごし方
水を凍らせたペットボトルにはタオルを巻くことで、結露の水対策になります。夜に寝る時にもかならずタオルに巻いて、寝具を濡らさないように気をつけてください。顔に当てたり首筋に当てたりして、体温の低下をしながらの快適な過ごし方ができます。解けた氷水は、飲料水にすることもできます。
夏キャンプの暑さ対策5:足水
温泉場なら足湯で気軽に温泉気分が楽しめますが、夏のキャンプ場ならば冷水の足水です。これは椅子に座って、溜めた水に足を浸すことで、足元から涼しくする方法です。簡易な道具さえ用意すれば、足水はどこでもできます。
足水で用意するグッズ
折りたたみの椅子、そして水を溜める大きめの桶が必要です。子供用の簡易プールでも良いです。桶はキャンプ道具入れにもなるので、あって邪魔になりません。足をふくタオルを準備するのも大切です。クーラーボックスに氷を持参していくことで、より冷たい足水にすることもできます。
足水の涼しい過ごし方
気温が高くてもう限界だというときに、桶を足元にサッと用意し、水と氷を注ぎます。裸足になって足を浸せば、足から体温がじわじわと低下します。足水をする時は、水浸しになってもいい場所が好ましく、何人かで集まっても楽しくなります。
夏キャンプの暑さ対策6:扇風機
扇風機は部屋の中で回すものだと、生まれながらに決めつけていませんでしたか?夏の暑いキャンプ場に扇風機を持参するキャンパーは、居間では珍しくなくなりました。確かに涼しい過ごし方ができる方法ですが、扇風機の他にも用意すべきものがあります。
用意するグッズ
扇風機は自宅内でいつも愛用しているものでもokです。その場合はコンセントが使えるバッテリーを用意します。またはアウトドアで使う専用の、充電式コードレスファンという製品を買い求めても良いです。
扇風機の涼しい過ごし方
テント内の暑い空気を、かき回すような使い方は好ましくありません。外の空気をテント内に取り入れたり、寝具に寝ている時、風を行き渡らせる使い方をします。テント内で氷水やスポットクーラーを使って、扇風機で冷気を周囲に行き渡らせる使い方なら最高です。
夜間の扇風機の注意点
夜間の就寝時に扇風機を使う時は、扇風機の騒音レベルには気をつけたいところです。夏の静かなキャンプ場で、テントがかなり密集している場合ですが、扇風機の騒音でトラブルになることがあるからです。静音設計の扇風機を持ち込みたいですね。
夏キャンプの暑さ対策7:スポットクーラー
キャンプ場に持ち運びが可能な、スポットクーラーという家電があります。このグッズは可動型でありつつ、本格的な冷気を出して、テント内をひんやりと満たすことができます。昼間の暑さはもとより、夜間の寝具を使う時の寝苦しさを解消するならこれです。
スポットクーラーの特徴
スポットクーラーで大型のものは、高さ60~100センチ、重さ20~40キロもありますが、キャスター付きです。上部ノズルから冷気を出すタイプが主流となっています。キャンプ場で使うなら小型を求めたくなりますが、冷却効果を得たいならばある程度のサイズが必要です。
スポットクーラーの涼しい過ごし方
キャンプ場の気温が高いほど、冷気は外で使っても効果は希薄になってしまいます。したがってテント内で使ったり、テント内で扇風機を併用して拡散したりといった工夫が大切です。後ろ側から温風が出るので、置く場所はよく検討したほうが良いです。
スポットクーラーのお値段
安いものであれば2万円台のものがありますが、高額なタイプは6万円を超えています。スポットクーラーは高い買い物になるので購入は要検討ですが、自宅内とキャンプ場で併用したり、長く使うなら損はしないでしょう。
夏キャンプの暑さ対策8:ウォータースプレーファン
水を入れるスプレーボトルに、電動ファンが付いているクールダウングッズです。見た目はおもちゃのようですが、冷たい水を詰めて作動させれば、微細のミストが夏のキャンプ場に涼しい空気を届けてくれます。
ウォータースプレーファンの使い方
この商品は水を吹き出すので、テント内で多用すると寝具も道具もびしょ濡れです。衣服になんども向けるたびに、衣服も濡れてしまいます。使う時は屋外でキャンプ用品がなにもないところ、薄着ですぐ乾くシャツ、腕や顔など濡れても構わない場所に使うのがベストです。
夏キャンプの暑さ対策9:ミストスタンド
キャンプ場に設置して時々稼働させるだけで、容易にクールダウンができるグッズが、ミストスタンドです。霧状のシャワーが頭上に降り注いで、キャンプ場のサイトの地面に対する、水打ち効果も得られます。
ミストスタンドの特徴
シャワーヘッドは棒状で、ミストを噴出する5μm程度の大きさの細かい穴が空いています。キャンプ場で使う場合には、水タンクと電動ポンプ、または空気圧ポンプなどを使用してミストを吹き出させます。
ミストスタンドの涼しい過ごし方
あまり長時間使うと、キャンプサイトによっては、水浸しになってしまうかもしれません。時々作動させる程度なら、夏の昼間の暑さで、霧はすぐ蒸発してしまうでしょう。適度に時間の間隔を開けて使うことや、水浸しになってもいい場所での利用を推奨します。
夏キャンプの暑さ対策10:ネッククーラー
真夏日のキャンプ場で火照った体は、首元の動脈やリンパ腺を冷やすことで、一気に暑さをクールダウンできるのはご存知ですか。この方法を持続的にできるのが、首に装着するだけのネッククーラーというグッズです。
ネッククーラーの涼しい過ごし方
スカーフ、タオル、バンダナなど、布を使った素材のネッククーラーがあります。このグッズは単純に水に濡らしてたり、保冷剤入りのものを、首に巻き付けるだけです。濡らすタイプは、寝具と一緒に使うと周囲を濡らすのでご注意を。
夏キャンプの暑さ対策11:機械式ネッククーラー
首に装着するタイプの機械式クーラーです。夏のキャンプ場で暑さをしのげる上、冬の暖房にも対応します。充電式で普通のクーラーと変わらぬ20~30度の冷風が発生します。お値段は2万円近いですが、昼の炎天下や夜の熱帯夜を過ごしやすく変えてくれると評判です。
機械式ネッククーラーの涼しい過ごし方
稼働時間は製品により異なりますが、サンコー製の「ネック冷却クーラー&温めウォーマー」の場合、連続使用時間は2時間です。日中も夜間も、付けたり消したりを繰り返して使います。このタイプなら寝具の上で使っても濡れません。使わない時の充電をよくしておくことが必要です。
夏キャンプの暑さ対策12:冷感抱きまくら
ひんやりとした質感の生地を使用した寝具、冷感抱きまくらというグッズが人気です。夏のキャンプ場のテントでは、普通の寝具を使うと暑さは引いてくれませんが、冷感抱きまくらを持っていけば、キャンプ場の夜の寝苦しさも幾分和らぎます。
冷感抱きまくらの特徴
外側にポリエステル、ポリエチレン、レーヨンなどの素材を用い、内部に詰まっているのは柔らかい発泡ビーズです。長さ100センチ以上もあって、デザインも優れているので他の寝具との相性も抜群です。
夏キャンプの暑さ対策13:断熱遮光テント
キャンプ場で基本となるテントは、日よけ、天よけ、虫よけなどの効果を持っていますが、これに断熱性や遮光性を備えた、機能の高いテントがあります。夏の耐え難い暑さと日差しも、この素材を使ったテントで遮ってみませんか。
断熱遮光テントの特徴
例えばアマゾンで売れ筋、KEUMERのポップアップテントは、UPF50+のUV-CUTシルバー加工がされています。これにより紫外線90%カット、断熱性、遮光性が優れたテントを実現しています。
断熱遮光テントの涼しい過ごし方
テント単体ではなく、木陰やタープと組み合わせることにより、昼の暑さを一気に解消できます。夜間も熱を溜め込まないから、テント内の寝具も快適状態です。
夏キャンプの暑さ対策14:夏は白にこだわる
世の中は色で溢れていて、テレビのフルカラーは1677万色というから驚きです。その中でも基本的な原色のひとつに白色があります。何の変哲もないありふれた白ですが、夏のキャンプ場の暑さを克服するためには、こだわってみたい色です。
なぜ夏は白にこだわるのか
全ての色は、熱を吸収しやすく熱されやすい色と、反射して熱を溜めにくい色に分類されます。キャンプギアで好まれる黒や青などの濃い色は、実は最大級に熱を溜め込む色です。逆にクリーム色、黄色などの明るい色は熱を反射しますが、白は温度の上昇を招かない一番手の色なのです。
白にこだわる涼しい過ごし方
たとえば夏のテントやタープは白にこだわれば、周囲のテントよりも3~5度も温度が下がり、ずっと快適になります。使う道具、寝具、衣服、帽子。あらゆるグッズを白でこだわって、温度を上げないキャンプを目指してください。
夏キャンプの暑さ対策15:涼しいキャンプ場を選ぶ
根本的に夏のキャンプ場の暑さを解消するならば、この対策が一番手かもしれません。平野部で昼の気温が35度を超えている真夏日ても、気温20度台のキャンプ場を選んでみるのです。そうしたら、昼の汗だく、夜の寝苦しさ、そんな不快感は消え去ります。
大都市から離れる
ヒートアイランド現象は、都市から発生する様々な熱気によって、通常よりも気温を3~5度も上昇させてしまう現象です。関東平野や大阪平野など、大都市のある平野部近郊は特に顕著です。しかし大都市から離れたキャンプ場なら、平野部でも幾分か気温上昇も緩和されます。
高原地帯を選ぶ
標高が400メートル上がるだけで、1日の夜気温は3~5度も違ってきます。したがってキャンプをするなら、若干距離があっても最初から高原地帯のキャンプ場を選んで正解です。
北海道のキャンプ場に行く
北海道は夏の昼間でも気温は20度台が通常で、関東の40度近い猛暑とは、まるで異世界的な気候です。長いバカンスの期間中は、ちょっと北海道まで足をのばしてキャンプをしてみる、これも夏の暑いキャンプをしなくて済む方法です。
コテージに宿泊する
夏のキャンプは暑いのに、テントにこだわり過ぎていませんか。夏だけは、エアコンも効いて寝具も家電も揃っている、コテージなどの宿泊を検討しましょう。コテージでもバーベキューできたり、タープやハンモックを使えるなど、屋外と同じに過ごせる施設は珍しくありません。
夏の暑さを解消したキャンプに
子供を安心して夏キャンプならこちら
夏の猛暑が続く季節でも、キャンプ場でぐっと涼しく過ごせる方法は、探せば幾つでも見つかるものです。昼夜の暑さをしのぐコツや、グッズを複数組み合わせたら、対策は万全となります。これまでと比較にならないほど、夏のキャンプを涼しく過ごしやすく変えてみませんか。